藤間良輔先生の思い出
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藤間新宮先生にお聞きしました
Q 新宮先生の故郷 和歌山県新宮市に良輔先生が出稽古に来られたのは
A 昭和25.6年でした
「大阪から良い先生が来られるから行きなさい」と母から言われて入門しました
Q 子供の頃から指導を受けられましたが お稽古の印象は
A 大変怖い先生という印象でした
泣いて帰る子もいましたね
とても稽古熱心な先生で 夏場には御自身浴衣を2,3枚着替えながら
一生懸命身体を使って教えられました
Q 厳しい稽古で踊りを止めようと思った事は
A それは一度もありませんでした
Q 子供時代 特に思い出となった舞台は
A 「お夏狂乱」(常磐津)です
中学校3年です
日頃の稽古はとても厳しかったのですが
舞台が終わり「良かったよ」と褒めて頂いた思い出です
Q 数多い共演の中 最も心に残る作品を1つ
A 「曽根崎心中」(義太夫)です
難しい役でしたが 良輔先生の胸をお借りして
勉強させて頂きました
Q 良輔先生と踊ってみたかった作品は
A 「新口村」(義太夫)です
Q 松竹新喜劇に参加された頃の思い出を
A 1ヶ月もの間 役者さん達と同じ楽屋入りし
藤山寛美先生や皆様に御挨拶から始まります
お稽古 支度 本舞台と毎日過ごす中で
普段見る事のない世界を味わう事が出来ました
驚きや発見も多く 貴重な勉強と体験になりました
寛美先生とは藝に関する感性がとても似ておられ やはり御兄弟だなと感じました
Q 良輔先生の御指導で最も大切にされた事をお聞かせ下さい
A 基本を踏まえた上で 曲想を理解し 表現力を付けて役作りをする事です
Q 良輔先生に対するお気持ちを
A 舞踊家として稀にみる才能の持主であられた方だと思います
その先生の厳しいご指導を子供の頃から受ける事ができ
踊りに対する心構え 表現方法 舞踊家としての在りかたを学びました
私が今日あるのも先生のお蔭と感謝しています